アメリカの経済動向が気になるところです。住宅ローンの問題でバブルがはじけて、さらに原油高が景気を鈍らせ、年末商戦も心配だが、来年秋ころまでは、上昇は難しそうです。
(ロイター2007年10月5日(金)14:55)
[東京 5日 ロイター] 米国経済を日々注視している松下電器産業<6752.T>の藤田英樹・経営企画グループチームリーダーに家電販売の動向などからみた米国経済の現状を聞いた。
藤田氏は、来年夏ごろまで米経済の成長率を下振れさせるような影響がじわじわと押し寄せる状況を予測する。薄型テレビなどの年末商戦は、原油高騰も加わり厳しくなるとの予想だ。主なやり取りは以下の通り。
─家電販売の現場からみた米国の実体経済をどうみている。
「家電業界にはまだそれほど大きな影響は出ていない。新商品を出した効果と(サブプライムの)悪い影響が打ち消しあっているのかもしれない。この先どうなるかわかりにくいが、期待していた米国経済の成長率が下振れしたり、悪い影響が後ろにずれていく可能性はある」
「住宅価格が上昇する中、借金を増やして消費に回すことがいずれ臨界点を迎えるだろうとみていた。米国では金融関係者も住宅業界関係者も(問題を)わかっていた。7月ごろにサブプライムの影響を研究し、来年3月ごろには(影響が)緩和されるとみていたが、来年夏ぐらいまで尾を引くのではないかといまは思う」
─サブプライムより信用度の高い住宅ローンを借りている層に問題が波及するか。
「FRB(米連邦準備制度理事会)がFFレート(短期金利指標フェデラルファンドレート)を0.5%下げ、年内にも追加利下げがあるといわれている。当社が手掛ける(薄型テレビなど)高額な商品を割賦販売するにも利下げの下支えがあるかもしれない。米国では所得階層別に、購入する商品がはっきり分かれていて、少し上の所得層が購入するような家電量販店の業績予想も思ったよりは良い」
─原油価格が高騰して、WTI(米国産標準油種)で1バレルあたり80ドル台を超える動きになっている。薄型テレビの販売で消費者がより安いほうにシフトしていくとか、悪い影響はないのか。
「米国では、金利以上にガソリン価格の家計への影響が大きいので、消費マインドに大きく影響する。(購入製品の低価格シフトの)可能性は大いにある。原油価格の動向は心配だ。今後はガソリンだけでなく、暖房費も増える。WTIが75ドルから80ドルくらいに張り付いたら、年末年始にかけて消費マインドへの影響が大きいと思う」
「去年の年末商戦は価格下落が大きく非常に厳しい戦いだった。今年は去年みたいにはなりたくないと思っているが、サブプライムの影響が大きくて消費が進まなかったら、作ったものは売らないといけないから、価格競争がまた大変になるかもしれない。電機の売り上げは去年並みか少し良いことを予想しているが、前年割れしたら大変だとうい感覚だ」
─今後の米国経済の見通しは。サブプライム問題が米国のバブル崩壊の端緒だとすれば、バブル崩壊にソフトランディングはないとの見方もある。
「幸いなことに来年秋には米国では大統領選挙がある。来年4月ごろには、民主・共和とも候補が決まり舌戦を繰り広げる。渦中に景気が悪かったら(それぞれ)対策を主張するので、どちらかといえば悪いマインドにはならないと思う」
「バブル的なものが崩壊して、一部にはスタグフレーションや経済停滞期が始まると指摘する人もいる。ただ、米国経済の腰の強さは人口が増えていることだ。ラテン系やアジア系の人が根を張って生き抜くパワーをもっている。アメリカ経済の中にBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国の新興経済国)がある。彼らはアメリカで稼いだ金を本国に送って、米国で失敗すると本国の家族が助ける。グローバル経済が相互乗り入れしている」
*このインタビューは9月28日に行いました。
(ロイター日本語ニュース 浜田健太郎)
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